機能不全家族とアダルトチルドレンの密接な関係

アダルトチルドレン

(最終更新日:2020/01/11)

機能不全家族とは?

機能不全家族とは、ざっくり言えば家庭としての機能が不全した家族のことを指します。アダルトチルドレン(AC)は大変にこの機能不全家族出身者が多いと言われています。

通常、健全な家庭では、親子の関係が良好で、親は正しい子育てを子供に提供することができます。

それに伴って、子供はスクスクとすこやかに精神的に成長することができるのです。

しかしながら、このプロセスが破壊されていると、子供は健全に生育することが阻害され、「後年、さまざまなメンタルの問題(=アダルトチルドレン等)を抱えやすくなる」ということが実際に報告されています。

たとえば、虐待を受けた人では、脳の扁桃体という情動の中枢が、外部からの刺激に対し過剰に反応することで知られています。[1]

扁桃体が過剰反応する人では、些細なことにビクビクして生活することを余儀なくなれるので、社会生活において、大きな生きづらさを抱えるようになりがちで、この問題はアダルトチルドレンの問題につながっていくことになるのです。

親子関係子育ての問題

良い親とは?

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通常、精神的に健全な親は、心が安定しているので、子供に対して良い意味でおおざっぱです。

すなわち、子育てに関して、完璧主義にならず、
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・「あれをやれこれをやれ!」
・「あれはするな、これもダメ!」
・「テストで100点取らなければダメな子だ!」
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などと叫ぶことは、ほとんどありません。

とにかく、良い親は「子供が将来、好きなことをでき、いっぱしの社会人になってくれればいい」と考えているので、子供への行き過ぎた過干渉はないのです。

だから、子供はのびのびと成長することができます。


毒親の特徴:

ところが、機能不全家族の俗にいう毒親は、子育てに完璧主義を求めるので、「うちの子はかくあるべし!」という固定観念を持っており、

・「テストで満点を取らなければダメな子だ!」
・「ピアノのレッスンを毎日受けなさい※自分の人生で達成できなかった目標を子供に押し付ける」
など

とうそぶき、子供に過剰に自分が作り上げた義務を強制するのです。

要するに、機能不全の家庭内で「子供の人格否定」、「子供の私物化」が起きているのです。

この場合、子供は、のびのびと生きることができないので、この種の毒親からの過干渉を受け、息苦しさを覚えながら、生育することを余儀なくされるようになります。

機能不全家族の親が行いがちな子育て(まとめ)
  • 学校で成績上位を常に強制される
  • 習い事(例えば、幼少期よりピアノ、バレリーナなど)を子供に常に強制する
  • 「あれするなこれするな」と、とにかく強制が多い
  • 完璧主義を強制される
  • 高学歴の取得、超一流企業入社への強制
  • 愛情がない子育て
  • 特定の兄弟を意図的に優遇し、他の者と差別化する

などがこの種の毒親の子育てには散見されがちです。

とにかく常に「子供は親からの要望を強制される」というところがポイントで
そこには子供の意志は全く介在していないのが大きな特徴です。

虐待

酷い例になると、日常的に親から暴力を振るわれるということも少なくありません。
肉体的虐待を受けると多くの子供はその反発心から、非行に走るようになります。

非行少年に被虐待児が多いのはこのためです。

また、精神的虐待すなわち子供の生活への親の過干渉は、後年、タイムラグを置く形で、アダルトチルドレンのようなメンタルの問題を引き起こすことで知られています。

精神的虐待には善意の虐待も含まれ、「善意の虐待とは良かれと思って、親が子供にしていることが、客観的には虐待になっているということ」を主に言います。

上の項で、リスト化した一例は好例です。

機能不全家族の原因

機能不全家族の主な原因は、往々にして、機能不全家族の世代間伝播です。

つまり、機能不全家族出身の人間は、自分の子供ができたとき、さらにまた同じような機能不全家族を作り上げてしまうという話です。

これが負のスパイラルとして、世代を通して、延々と繰り返されます。

毒親も結局、そのまた毒親の被害者である場合が非常に多いことはこの業界ではよく知られた事実です。

精神が不安定な親に育てられると、機能不全家族は非常に起きやすくなります。

毒親とは?

今まで毒親という用語を解説なしで使用していましたので、ここで詳しくわかりやすく説明します。

毒親とは、主に子供に日常的に、身体的および精神的虐待を加える親のことを指します。

この毒親という用語は70年代のアメリカで、アルコール依存症の親を持つ子供の自助団体「Adult Children of Alcoholics (ACA)/Dysfunctional Families」によって定義された概念です。

この毒親という概念を有名にした学者は、Janet G. Woititzで、その著書「Adult Children of Alcoholics」によって、広く世界的に知られるようになりました。

それが日本に輸入される形で、現在、「毒親」という用語が日常的に知られるようになってきています。

毒親の特徴として、この種の親は
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〇ギャンブル依存症

や、
〇アル中だったり、
〇家庭内の不和を引き起こしていたり、
〇精神的および家庭内問題を両親ともども抱えている
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場合が少なくないといわれています。

また、
〇高学歴、高収入の俗にいう富裕層の家庭にも頻繁に見られ、「優秀な自分ができたこと」を子供に強制する場合も多々あります。

機能不全家族が8割も日本社会に存在するのか?

機能不全家族が社会全体の8割に及ぶという話がありますが、これは何の科学的根拠もない話であり、どこの国でも、そんなに「国民全体が病んでいる社会」など存在しようがありません。

この話は明らかに過剰に誇張されたでっち上げ
でしょう。

例えば、Pubmedのような論文閲覧サイトや国の省庁の統計発表をいくら調べても、
「機能不全家族が日本国民の8割の家庭に存在する」というようなデータはどこにも存在していませんでした。

特定の利権組織が恣意的な統計を”独自に”行い、それにより、自分たちに有利になるような”独自の統計”を捏造することなどよくある話です。
酷いケースでは、まともな調査すらしていない場合も少なくありません。

したがって、一般に、国の省庁が調べたモノでない限り、基本的に、その類の統計は信用に値しないと考えていただいて構いません。

利益誘導のために、そうした統計不正を平気で行う悪質な自助団体または非営利組織が存在するということにも注意されてください。

もし、機能不全家族が全体の8割も日本社会に存在していたのなら、とっくの昔にこの国は瓦解していたはずです。

機能不全家族の特徴

共依存関係

虐待を受けている子どもはアダルトチルドレンとの関係性が深いのですが、アダルトチルドレンについてはもう少し、下の方で解説します。

アダルトチルドレンの問題では、「共依存関係」の問題が広く叫ばれています。

共依存関係とは、機能不全家族の例でいえば、「子供が親から虐待を受けていても子供は親に従属し、親は子供を虐待していても、子供に依存し、そこに心の安寧を求めている」という状態を主に指します。

不健全な人間関係の場合、その多くが、この共依存の関係によって成立しているといっても過言ではありません。

それは何も親子関係に限った話ではなく、ほぼすべての俗世間間の人間関係にまでも当てはめることが可能な概念です。

たとえば、巷でも、DV被害者にDV加害者の共依存など枚挙にいとまがありません。

日常的な身体的、精神的虐待

  • 親からの日常的な暴力。暴言。ネグレクト。
  • 性的虐待
  • 親からの行き過ぎた強制、禁止「命令」
  • 過干渉(善意の虐待)
  • 行き過ぎた溺愛(子供がすべきことを全部が親がやってしまう)
  • カルト宗教の教義やその入信への子供への押し付け

この項の内容は、上で十分説明したのでこの例は割愛します。

アダルトチルドレン(AC)との関わり

アダルトチルドレンとは、自分に自信がなく、自分が何者であるかわからない、という自己同一性(アイデンティティ)に大きな問題を抱え、大人になっても生きづらさを抱えている人のことを主に差します。

アダルトチルドレンの人では、上記特徴のほか、感情のコントロールが苦手であったり、常に強い不安に苛まれ、日々をビクビクして過ごし、生きることに非常な困難さを抱えている人が少なくありません。

アダルトチルドレンは機能不全家庭出身者が非常に多い

アダルトチルドレンの人では機能不全家庭出身者が非常に多いということが学術的に報告されており

主な内容は、

「親がアル中だった」、
「両親が不仲で喧嘩ばかりしていた」、
「片親家庭」、
「貧困家庭」、

あるいは、

「官僚のような高学歴高役職の親に完璧主義を強制され育てられた」、

などという事例は非常に多いものなのです。

機能不全家族がもたらす社会への影響

機能不全家族は社会に大きな悪影響をもたらします。というのも、メンタルを病んだ子供は社会に出てから、生きづらさを抱え、社会の荒波に耐えられなくなってしまう場合が多いためです。

このような人では下記のような特徴が往々にして散見されるものです。

ニート、ひきこもり

ニートやひきこもりは今、日本で社会問題になっています。ニートやひきこもりはそのまま、中高年ひきこもりの問題につながり、近年、富にこの問題がTVメディア等でフォーカスされるようになりました。
(ちなみに、ニートや引きこもりの人ではアダルトチルドレンの症状を持つ人が少なくありません。)

ニートやひきこもりの背景には、機能不全家族の問題が潜んでいる場合が少なくありません。

何故かというと、「親が良い意味で厳しければ」、ニートやひきこもりの問題も一発で解決するのが当然だからです。

「出ていけ!」の一言で、親から勘当されておしまいです。

結局、この種の人たちの生活は、周囲からの手厚いサポートがあって、はじめて成り立ちます。

独り立ちすれば、家賃も自分で支払わなければいけませんし、税金(住民税、所得税)実質税金のようなものである国民年金、健康保険、または生活費(食費、光熱費、水道料金)の支払いも国、自治体、関連企業各種から強制的に求められます。

こうなると働かなければ、資金が尽きてしまうので、結局、働きに外に出るしかなくなるわけです。

あるひきこもりの男性は、手厚いサポートを続けていた真摯な父親が亡くなったら、嘘のように外に出て、働くようになったそうです。「必要は発明の母」という言葉がありますが、必要に迫られれば、人間の抱える問題など意外と何とかなってしまう場合が少なくないといえます。

ニートやひきこもりの家庭は機能不全家族の場合が少なくなく、「親が子供に言うべきことを言わない」、「延々と子供を支援し続ける」という不健全な親子関係を為している場合がほとんどです。

最近、元官僚(事務次官)がひきこもりの子供を殺害したという事件が発生しましたが、この家庭の問題は、「結局、親が適切な時期に子供を切り離さなかった」ということに還元されると私は思っています。

このように、機能不全家族の問題は、社会に多大な影響を与えており、社会と切り離して考えられる問題ではないのです。

まとめ

機能不全家族とは主に、家族としての機能を失調した家庭で、このような家庭の中では子供はのびのびできず、様々な精神的な問題——たとえばアダルトチルドレン——を抱えるようになりやすいです。

そして、機能不全家族の場合、親は俗にいう毒親の場合が少なくなく、それによって、子供をスポイルされてしまうことが実際に起きています。

しかしながら、機能不全家族出身者であっても、立派に暮らされている社会人の方は非常に多くいます。
社会人だけでなく、出家の世界に生きる人には、この種の家庭出身者が少なくないということも知られています。

たとえば、大峰山千日回峰行の塩沼両潤阿闍梨は好例です。

機能不全家族の問題は、まず、親も含めての当事者がアダルトチルドレンの問題を解決することが最も重要になります。

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[1]:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5031358/